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団塊の世代

終戦直後に生まれ、戦後日本の社会とともに成長してきた〝団塊の世代〟約800万人が65歳を迎え始めました。
年金・医療費の増大が危惧される一方、その退職金や貯蓄にビジネス市場が関心を寄せています。少子高齢化が進む中、団塊世代は社会保障制度を担う側から受ける側にまわったことで、財源の逼迫に拍車がかかったのです。
2011年度は年金加入者数が減少したのに対し、受給者は増加し、公的年金支給額は2兆2千億円となりました。
また、医療費38兆円弱の約55%は65歳以上の人である現状を考えれば、団塊世代の高齢化は社会保障制度の破たんを意味します。
他方団塊の世代は〝資産と時間を持ったマーケット〟として期待が寄せられています。確かに60歳以上の金融資産や持ち家率は下の世代に比べ高いのですが、総務省家計調査によれば支出を左右する年間所得は、全世帯の平均値に対してシニア世帯は約半分で、団塊世代に対して現役時代の消費意欲を期待するのは賢明ではないようです。

また、あるアンケート調査によれば既に8割近くが受給しているものの、約6割が勤労収入を必要としているようです。
この貯蓄を消費や社会的投資にまわすためには先行きの不安を取り除くことが必要で、そのトップが健康不安だと言われています。
超高齢社会に突入した日本において、団塊世代にはマーケットではなく、シニアが健康と生産性を維持し社会保障を安定させるモデルとなることを期待します。